コンテナ物語

■『ロジスティクス思考的経営話(物流話)280』powered by e-LogiT■20171026
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| 今回の物流話 | コンテナ物語(世界を変えたのは箱の発明だった)
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       株式会社イー・ロジット コンサルタント 鈴木まさゆき

今回は、物流の裏方さん、「コンテナ」に関わる話をいたします。


皆さんは「コンテナ」と聞いて、何を思い浮かべますか?

ハコ? バンニング? デバン? 船? 貨物列車? トレーラー?
シャーシ?
港で活躍する通称「キリン」が大量のコンテナを動かしている様子を
想像しておられるかもしれません。

私自身は「コンテナ」を見ると、映画「レインマン」の印象的な
オープニングシーンを思い出します。

ランボルギーニの輸入通関でトラブっている「トム・クルーズ」と、
軽快な曲「アイコ・アイコ」が頭に鳴り響きます(^o^)


今やグローバル・サプライチェーンにかかせない「コンテナ」。
その「コンテナ」は、実は、あらゆる商品の流通に関わっており、
すごく身近なものなのです。


そこで今回、物流に絡む本として「コンテナ物語」(日経BP社)を
ご紹介したいと思います。

副題は「世界を変えたのは箱の発明だった」で、
一人の企業家にスポットを当てながら、単なる箱である「コンテナ」が、
物流の重要な役割を担っていく様子が記述されています。


読んだ後には「コンテナ」のイメージがきっと変わるでしょう。


本の中では、企業家「マクリーン」氏が物流企業を大きく成長させていく
姿が描かれています。

・トラック1台からスタート後、「コスト削減の徹底」を武器に、
 他の運送会社を買収。

・「混んでいるハイウェイを走るより、海上を走る方が速い」と考え、
 船会社を買収。

・「船にトラックを乗せると車輪がじゃま。荷台のみで十分」と、
 船やコンテナの仕様等も変更。

・ 通称「キリン」(ガントリークレーン)も開発し、貿易でボトルネック
 港湾作業を効率アップ。

・ 船を大型化して、輸送効率アップを図る

と「輸送プロセス」を次々と改善する様子には、物流マンとして感銘をうけます。

輸送量拡大を追う過程で、結果「コンテナ」の規格化などにも関わっています。


またベトナム戦争時の話では、

・アメリカ軍が「兵站」の重要性を認識して、ロジスティックスの一部を
 民間に委託

ベトナムからアメリカへ戻る空コンテナを埋めるため、
 日本のエレクトロニクスを輸出

していく様子も描かれています。

前者は、ロジスティックスの語源「兵站」を実感できる部分ですし、

後者は、日本の輸出拡大の経済状況が思い出されます。


「コンテナ物語」では、急速にコンテナリゼーション化が進む中、

・市VS市・・・雇用の場所として、都市間での港の誘致争いの様子
・国VS国・・・グローバル・サプライチェーンの寄港地として国別の競争

という、輸送効率の拡大に伴う船と港の巨大化が描かれています。


企業家「マクリーン」氏が亡くなったとき、多くの船で汽笛を鳴らすという
ラストシーンはとても感動しますよ!


ビル・ゲイツ氏の「2013年記憶に残る本の一冊」としてとりあげられた
こともあるので、ご存知の方も多いかと思いますが、貿易の歴史が学べ、
物流の改善実例も豊富なので、ぜひお勧めしたいと思います。


まだ未読でご興味を持った方は、ぜひ読んでみてください(^o^)!

 

当時、日本にコンテナ船が初めて寄港した姿を見て驚いていた経営者が
いらっしゃいました。

海上コンテナオペレーションを見て驚き、システムによる合理化の威力を感じた」


そう、ヤマト運輸の故小倉昌夫氏です。名著「経営学」の中で触れています。


昨日の日経記事では、
商船三井が来月運航を開始する世界最大級のコンテナ船を公開」
「20フィートコンテナを最大2万個搭載できる」

と出ていましたね!

これまでの最大級のコンテナ船、エマ・マースクのTEUは18000。
今治で造船するためのドッグ改造から約2年で20000TEUのコンテナ船を作った
ことになります。


これからも海運会社の激しい競争は続きます。

直近では、韓進海運の破産も記憶に新しいですね。


私自身も前職で、結果コンテナ到着が3週間遅れて、お客様へ説明と謝罪した
事を懐かしく感じました。


「コンテナ物語」(日経BP社)

是非読んでみてください!

 

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イー・ロジット コンサルタント 

鈴木まさゆき

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