シンク・スモール

■『ロジスティクス思考的経営話(物流話)292』powered by e-LogiT■20180320
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| 今回の物流話 | シンク・スモール!
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      株式会社イー・ロジット コンサルタント 鈴木 まさゆき

「シンク!」という言葉から、皆さんが思いつく企業は?

IBMの標語「Think(考えよ)」は、ワトソン氏と共に有名ですね。
パソコンのブランド名「Think Pad」って、そこが由来ってご存知でしたか?

また素晴らしいCMを見せてくれた
Appleの「Think Different」キャンペーンは、印象に残っていますよね!
20年前に感動したCMのナレーション「The Crazy Ones」全文を、
私は何年も自宅の壁に貼ってます!

「Think Small !」
あの「ウオルマート」創業者のサム・ウオルトン氏が、
人生の最後に全力をあげて書き上げた本から、
この言葉を取り上げてみました。

今回のメルマガでご紹介したい本は、
「私のウオルマート商法 すべて小さく考えよ」
渥美俊一+桜井多恵子【監訳】(講談社+α文庫)2002年出版
オリジナル「Made in America My Story」by Sam Walton(1991)
です。

その中で「Think small (小さく考える)」の章から、
少し長いですが、一部引用させてもらいます。

「....これらの発想は「小さく考える」思考から生まれた典型的な例である。
私のお気に入りは、物流部門のアソシエートから出た案だ。
彼女は、わが社には全米一の配送部隊があるのに、
物流センターの備品の配送はなぜ外部に委託しているのか、と疑問をもった。
そして、自社のトラックの帰途に物流センターの備品を持ち帰らせることを思いつき、
それによって50万ドル以上の節約をしてくれた。
私たちは、彼女を土曜会議に招き、報奨金を出してその功労を讃えた。
わが社には40万人の従業員がいることを思えば、
まだまだ多くの素晴らしい改善案が眠っているのは明らかだ。」

ウオルマートが小売業NO.1であり続ける理由が、
垣間見えると感じませんか?
この章「小さく考える」では、他にも、

大企業病にならないためには?
・組織をスリムにして、官僚化と闘う
・1店ごと、お客1人ひとりに向き合うには?
・コミュニケーションの重要性
・現場への責任と権限委任

と、我々が今も悩んでいる事を
サム・ウオルトン氏がどう考え、どう行動してきたのかを教えてくれてます。

大企業にいてもベンチャーのように考え行動する
「Think Small!」いい言葉ですよね!

また本では物流に関する話もかなり割かれています。
成功後ユニークと思われていた出店戦略も、(長文の引用ですみません)


「ディスカウントストアの草創期、すでに
物流システムのある大手の企業は、全国規模で多店化をはかっていた。
だが、大手が大都市から大都市へとジャンプしている隙間に、
わが社にとってのビッグ・チャンスがあったのだ。
ウオルマートの出店戦略は必要に迫られて生まれたものだが、
ごく初期の段階で、私たちはそれを独自の出店戦略として捉えてきた。
店を物流センターの守備範囲内に置き、管理できるような方法が必要だと考えた。
そのためには、物流センターから車で1日の走行距離内に出店する必要があった。
そこで、物流センターを中心にできるだけ遠くに出店立地を見つけ、
そこに次々と店を出していった。
こうして、1つの商勢圏が飽和状態になるまで、群から群へ、州から州へと
地図を1つづつ塗りつぶすように出店していったのである。」


ロジスティクスに関わる人間として読んでいて興奮する部分です!
制約条件も結果成功条件としてしまう。
まさにしっかりした物流戦略を持つ企業が大成功した例ですよね!

新たな物流センターを計画している方には、
実際の苦労話などもあり、役立つ本だと思います。

もちろん
「ディスカウントストア」スタートの経緯
「エブリデイ・ロープライス」の理由
「アソシエート」(従業員)とのよりよいパートナーシップ
といった、ウオルマート成功のキーワードも、
20世紀最大のアメリカンドリームを成し遂げた創業者が、
熱く語ってくれます。


「私のウオルマート商法 すべて小さく考えよ」
ご関心を持った方は、ぜひ読んでみてください!

 

次の物流話〈随時版〉でも、わくわくする!物流関連の書籍を
ご紹介できれば幸いです!

 

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イー・ロジット コンサルタント 

鈴木まさゆき

 

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